ペットロス症候群とは|症状・期間の目安とセルフケア、相談できる場所
大切な家族を見送ったあと、涙が止まらない。眠れない。何も手につかない。——そんな自分を「弱いのかな」「いつまでも引きずって」と責めていませんか。
どうか、自分を責めないでください。その深い悲しみは、あの子をそれだけ深く愛していた証です。この記事では「ペットロス症候群」と呼ばれる心と体の状態について、症状や経過、自分でできるケア、そしてつらさが強いときに頼れる場所を、やさしく整理します。読むのがつらいときは、無理せず、また落ち着いたときに。

「ペットロス症候群」は、病名ではありません
まず知っておいてほしいことがあります。「ペットロス症候群」は、正式な病名(医学的な診断名)ではありません。 大切なペットを失ったことで起こる、心と体のさまざまな不調を表すための一般的な呼び名です。
大切な存在を失ったときの深い悲しみは、専門的には「悲嘆(グリーフ)」と呼ばれ、誰にでも起こる自然な心と体の反応です。病気ではありません。長く家族として過ごしてきた相手を失えば、心が大きく揺れるのは当たり前のことなのです。
ただし、この自然な悲しみが強く・長く続いて、日常生活に支障が出るほどになることもあります。そのときは、ひとりで抱えず、誰かの助けを借りていい——その見分け方も、このあとお伝えします。
心と体に現れる、つらさのサイン
ペットロスのつらさは、心だけでなく体にも現れます。
心のサインとしては、深い悲しみや喪失感、孤独感、気分の落ち込み、無力感。そして罪悪感や後悔——「もっと早く気づいてあげれば」「あの選択は正しかったのか」と、自分を責める気持ちを抱く方はとても多いです。怒りや不安、情緒の不安定さが出ることもあります。
体のサインとしては、眠れない・眠りが浅い、食欲が出ない、強い倦怠感、涙が止まらない、頭痛や肩こり、お腹の不調など。これらは「気の持ちよう」ではなく、悲しみが体に表れたもの。どれも、おかしなことではありません。
悲しみは、段階を行き来しながら和らいでいく
悲しみの移り変わりを説明するものとして、「否認・怒り・取引・抑うつ・受容」という5つの段階のモデルが広く知られています。もともとは精神科医キューブラー=ロスが示した考え方です。
ただ、ここで大切なのは——この5段階は「広く知られた一つの説」であり、誰もがこの順番どおりに進むわけではないということ。順番が前後したり、ある段階を経験しなかったり、行ったり来たりを繰り返したりします。学術的には、現実の悲しみはもっと複雑で個人差が大きい、という指摘もあります。
ですから「まだ受容できていない自分はおかしい」と思う必要はありません。悲しみは、波のように寄せては返しながら、少しずつ、あなたのペースで和らいでいきます。
「いつまで続くの?」——専門家を頼る目安
悲しみに「正しい期間」はありません。それでも、心配なときの目安はあります。
落ち込みや不調が2週間以上ずっと続く、眠れない・食べられない日が続いて生活が立ちゆかない、数か月たってもつらさがほとんど和らがない——こうしたときは、悲嘆がうつ病などにつながっている可能性もあり、心療内科や精神科に相談することがすすめられます。受診は「弱さ」ではなく、回復のための確かな一歩です。
なお、死別後の強い悲嘆が長く続く状態は、医学的に「遷延性悲嘆症」として知られています(おもに人との死別を想定した基準で、診断には一定期間の持続が必要とされます)。ペットロスにそのまま当てはまるわけではありませんが、「長く重く続く悲しみには専門家の支えがある」と知っておくと安心です。
そして——もし**「消えてしまいたい」という気持ち**が浮かぶときは、どうか一人で抱えないでください。あとの章の相談窓口に、今すぐ連絡してかまいません。
自分でできる、心のセルフケア
つらさが強くない範囲で、自分を労わる方法をいくつか。
まず、感情を抑え込まないこと。「早く元気にならなきゃ」と気丈に振る舞うのは、かえって心の負担になります。泣きたいときは泣いていいのです。そして、気持ちを誰かに話すこと。家族や友人、同じ経験をした人に話すだけで、心の整理が進み、孤独感がやわらぎます。
写真を見たり、使っていた物を少しずつ整理したり、お供えや供養で思い出を形にすることも、お別れを受け入れる助けになります。睡眠や食事など生活のリズムを保つことも、弱った心と体を支えます。そして、無理に忘れようとしないこと。思い出を大切にしながら、自分のペースで向き合っていけば大丈夫です。
ひとりで抱えないで——相談できる場所
つらさが重いとき、頼れる場所があります。どれも、ただ話を聞いてもらうだけでも構いません。
- よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・通話料無料)。どんな悩みでも受け止めてくれる電話相談です。
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(厚生労働省)。電話をかけた地域の公的な相談窓口につながります(受付時間は地域により異なります)。
- いのちの電話:各地で、つらい気持ちの電話相談を受けています。
- 心療内科・精神科:不調が強い・長引くときの医療機関。カウンセリングや、必要に応じた治療を受けられます。
- ペット専門のグリーフケア:ペットロスに理解のあるカウンセラーや、グリーフケアに取り組む動物病院、同じ経験を分かち合う「わかちあいの会」もあります。
参考にした情報
- とよだクリニック(心療内科・精神科)「ペットロスに苦しむ人たちに精神科医が伝えたいこと」
- SBIプリズム少額短期保険(獣医師監修)「ペットロス症候群とは?」
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」/こころの健康相談統一ダイヤルの案内
- 品川メンタルクリニック「ペットロス症候群とうつ病」ほか
※本記事は一般的な情報をまとめたものです。「ペットロス症候群」は正式な病名ではなく、心の状態や適切な対応は人によって異なります。つらさが強いときは、医療機関や相談窓口を頼ってください。
思い出を、そばに残したい方へ
悲しみを、無理に手放す必要はありません。あの子との絆を「形」にして、そばに置いておくことも、心の支えになります。手元供養や供養の品は、気持ちが向いたときに、ゆっくり選んでください。
※ 以下は広告(PR)を含みます。価格・仕様は変動するため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。最終的な選択はかかりつけの獣医師にご相談ください。
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おわりに
悲しみの深さは、愛の深さです。早く立ち直る必要も、上手に乗り越える必要もありません。涙が出る日も、ふと笑える日も、どちらもあっていい。
そして、つらさを一人で背負わないでください。話せる人に話す、窓口に電話する——その小さな一歩が、あなたの心をきっと少し軽くします。あなたが、あの子を想うその気持ちは、何も間違っていません。